
夏になると、ふと思い出す小説があります。
それが、岡田麿里さんの『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』です。
アニメで知っている方も多いのではないでしょうか。
10代の少年少女たちが、それぞれ心に抱えていた後悔や葛藤と向き合いながら、もう一度過去と向き合っていく物語。
青春を描いた作品ですが、大人になった今だからこそ感じられることもたくさんあります。
そして、物語の最後には涙が止まらなくなるほどの感動が待っています。
この記事では
- 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のあらすじ
- 私がこの作品を夏になると思い出す理由
- 大人になった今だからこそ感じる魅力について など
ご紹介します!
まだ読んだことがない方の参考になれば嬉しいです。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』とは?
2011年(全11話)にテレビアニメとして放送され、そのあと、2013年に劇場版も公開されました。
すべての始まりとなる基本のストーリーです。
初めて作品に触れるなら、まずはアニメ版からがおすすめです。
テレビアニメの出来事から1年後を中心に、幼馴染たちの視点でテレビアニメ版を振り返る構成となっています。
アニメ版のあとに楽しむのがおすすめです。
そして、さらに小説版も刊行されました。
今回はその小説版をご紹介します。
上下巻で2011年〜2012年に刊行されました。
アニメの脚本を担当した岡田麿里さん自身による執筆です。
アニメ本編を補完するオリジナルエピソードや心理描写が描かれているため、アニメをみたあとに、作品の世界観をより深く味わいたい方にもおすすめです。
少年少女たちの友情や葛藤、過去への後悔、そして大切な人への想いが描かれた、ひと夏の物語です。
あらすじ
物語の舞台は、埼玉県秩父市をモデルにした町です。
主人公の宿海仁太(じんたん)は、かつて仲の良かった幼なじみたちと、今ではほとんど交流することなく過ごしていました。
そんなある夏の日、仁太の前に、幼い頃に亡くなったはずの少女・本間芽衣子(めんま)が現れます。
「お願いを叶えてほしい」
そう告げるめんま。
その出来事をきっかけに、仁太はかつての仲間たちと再び関わることになります。
幼い頃に起きた出来事。
それぞれが心の中に抱えていた後悔。
そして、言葉にできなかった想い。
離れていた仲間たちは、過去と向き合いながら、それぞれの心に残っていた「忘れられない夏」をもう一度たどっていきます。
果たして、めんまの願いとは何だったのでしょうか。
そして、少年少女たちは過去と向き合った先で、どんな答えを見つけるのでしょうか。
私が感じたこの作品の魅力ポイント 4選
夏になると思い出す小説の一つ
私にとって『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、夏になると思い出す作品の一つです。
この作品には、夏特有の空気があります。
- 青い空
- 蝉の声
- 暑い日差し
- 墓参り
- 花火
そして、何かが起こりそうな夏休みの時間。
大人になった今では、夏も普段と変わらない日常の一つになりました。
それでも、この作品を思い出すと、子どもの頃の夏休みや、あの頃にしかなかった時間を思い出します。
私もこの作品と同じく10代の頃は、夜に幼馴染たちと集まって、深夜になるまで途切れることなく会話をしたこともありました。
「夏」という季節には、なぜか昔の記憶を呼び起こす力があるのかもしれませんね。
だから私は、夏になるとこの物語を思い出したくなるのだと思います。
10代の頃を思い出させてくれる作品
この作品を読んでいると、自分が10代だった頃のことも思い出します。
登場人物は、まだ10代。
自分の気持ちをうまく言葉にできなかったり、素直になれなかったり。
大切な人だからこそ、意地を張ってしまったり。
今振り返ると、
「どうしてあのとき、素直に気持ちを伝えれなかったのだろう」
と思うようなことも、10代の頃にはたくさんあった気がします。

特に10代の頃の恋心は、物語の最初の頃の仁太のように、心にしまったまま引きずっていましたね。
大人になった今なら、少し違った行動を選べるかもしれない。
でも、10代の頃にはそのときの自分なりの精一杯だった。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、そんな「昔の自分」を思い出させてくれる作品でもあります。
懐かしいだけでなく、あの頃の自分を少しだけ優しい目で見つめ直せる。
そこも、この作品の魅力です。
最後は涙止まらない感動作
そして、この作品を語るうえで外せないのが、最後に待っている大きな感動です。
私は、最後には涙が止まらなくなりました。
登場人物たちが抱えていた後悔や、それぞれが伝えられなかった想いが、物語を読み進めるにつれて、めんまを中心に少しずつ解き解され、繋がっていきます。
登場人物たちの気持ちが見えてくると、今までの出来事の一つひとつの意味が違って見えてきます。
そして最後には、これまで積み重ねてきた感情が一気に溢れ出し、ただ悲しいから泣くのではありませんでした。
涙を流しながら、それでもどこか温かい気持ちになれる。
そんな感動を与えてくれる作品です。
泣いたあと、少し心が軽くなる物語
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、決して、「癒される」という言葉だけでは表現できない作品です。
悲しさも、後悔もあります。
胸が苦しくなるような場面もあります。
それでも、物語を読み終えたあとには、不思議と心が少し軽くなっているように感じます。
思いっきりなくことで、心の中に溜まっていたものが少し外へ流れていく。
そんな時間も、私は「癒し」の一つなのではないかと思っています。
忙しい毎日の中で、感情を押し込めてしまうことはありませんか?
そんなときには、あえて泣ける作品に触れてみるのもいいかもしれません。
涙を流したあと、少しだけ心が軽くなる。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、私にとってそんな作品です。
ちなみに本を読むことで、「癒し」につながることについては、こちらの記事に書いています。

気になる方は、ぜひご覧いただければと思います。
こんな人におすすめ
- 青春小説が好きな人
- 泣ける小説を読みたい人
- 夏に読みたくなる作品を探している人
- 10代の頃を思い出したい人
- 心を動かされる物語を読みたい人
▼『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、上下巻で楽しめます。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。上 (文庫ダ・ヴィンチ) [ 岡田 麿里 ]
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。下 (文庫ダ・ヴィンチ)

角川文庫でも販売されていますが、中身の違いはありません。
好みの表紙デザインや、手に入れやすさで選んでも大丈夫ですよ。
まとめ
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、10代の少年少女たちの友情や葛藤、後悔、そして大切な人への想いが描かれた物語です。
最後には涙が止まらなくなるほどの感動がありますが、読み終えたあとに残るのは、悲しさだけではありません。
大人になった今だからこそ思い出す、10代の頃の自分。
昔の友達、忘れられない夏。
そして、あの頃には気づけなかった大切な気持ち。
そんな記憶を、そっと呼び起こしてくれる作品です。
また、大人になり家族を作った今だからこそ、作品の中の大人たちの気持ちにも共感することができます。
夏になると、なぜか読みたくなる物語。
それが私にとって『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』です。
少し疲れていて、思いっきり泣きたいとき。
昔の自分を思い出したいとき。
そして、読み終えたあとに少し心を軽くしたいとき。
そんな日に、ぜひ手に取ってみてほしい作品です。

